WORK SHOP# 47 | ブックトークカフェ「”二度と読まない!”と思った本」

ブックトークカフェ#10  〜みんなでつくるまちの図書館〜  「”二度と読まない!”と思った本」

月1回、COSUGI COBOで開催している「ブックトークカフェ」。身近な「本」を通じて、武蔵小杉周辺の皆さんがつながる「場」を提供しています。

 

この日は、近隣の学校で運動会が開催されているような、爽やかな初夏の朝でした。テーマは、「”二度と読まない”と思った本」。

 

「読んでよかった!あなたもぜひ読んでみて!」とオススメする読書会はたくさんあるけれど、「二度と読まない!」本について話す機会はあまりないように思います。

そこまで言い切るような本って、いったいどんな本なのでしょう。つまらないから?長かったり、難しくて挫折したから?参加者がそれぞれに思う「二度と読まない!と思った本」をお持ちいただきました。

 

 

・絵本セラピストとしていつか取り上げたいと思ったが、自分自身の読み手としての感情が大きく揺れてしまう。自分の中で咀嚼しきるまでは封印を決めた、「ぜつぼうの濁点」(作: 原田 宗典/絵: 柚木 沙弥郎)

 

・指揮者の視界を垣間見ることができる好エッセイなのだが、自分にとっては中高生時代、吹奏楽部で指揮をしていた怖い顧問の先生を思い出してしまう、「指揮のおけいこ」(岩城 宏之)

 

・学生の頃からずっとずっと大好きで、いろんな学びをくれた浅田次郎作品だけれど、この本を読んだときに、自分の内面で起こっている変化に気づいてしまい、別れを告げることした、「パリわずらい江戸わずらい」(浅田 次郎)

 

・宮部作品にハマるきっかけになった本。最初に読んだ時の疾走感や微細な描写への驚き、読後の何ともいえない感覚は、次に読み直してもきっと同じようには味わえないだろう、「レベル7」(宮部 みゆき)

 

・女の子が入りこんで見てゆく様々な物語の裏側の世界。「白鳥の湖」のオディールの親への愛情や葛藤に共感し、切なくなった中学生の自分を思い出す。でも今読んでしまったらもうそんなに心に刺さらないのでは?と思って大切にしている、「シンデレラ迷宮」(氷室 冴子)

 

ハバタクからはヘルマン・ヘッセ作、岡田朝雄訳の「クジャクヤママユ」を紹介しました。この作品を改稿した「少年の日の思い出」が小学校や中学校の国語の教科書に掲載されていることが多く、ヘッセの中では圧倒的に読者が多い作品です。子どもながら読後感が辛かった記憶があり、「二度と読まない!」と思っていましたが、大人になった今ならどんな感想をもつだろう?そしてそれをみんなと話してみたらどんな話題が出てくるだろう?と思い、ご紹介しました。

 

小さい頃に読んだこともある人もない人も、この物語には読後の苦い味わいと、なにか心をざわつかせるものがあると感じたようです。読んだことのある人は、この物語にまつわるエピソードが浮かんできたり、「あの頃、どの場面が、なぜ、どのように辛かったのだろう」ということが、大人になった今は具体的に言葉にできるようになっていたり、「自分が親になったからか、親子の関係性に反応した自分がいた」など、自分の視点の大きな変化に気づいたりしました。読んだことのない人も、苦い、辛い経験をしながら大人になった、それぞれの道に思いをはせる瞬間がありました。気になったフレーズや単語は同じでも、理由はそれぞれに異なっているので、皆さんで話し合えたことで、味わい深い時間となりました。

 

「二度と読まない!」けれど、そこには人それぞれ違った思い入れや考えがあるのだなと知りました。本の内容と本の持ち主のストーリーとをダブル楽しめる、お得な体験となりました。みなさんが手放した本にも思わず、「私だったらどう感じるだろう?とワクワクして、読みたくなりました」という感想もいただきました。

 

COSUGI CAFEには皆さんの植本によって集まった本の木「OH! SUGI(街の図書館)」が育っています。本屋さんでも図書館でも見つけられないような本に、ここでばったり出会えるかもしれません。お手に取られたら、ぜひ「みんなの感想カード」にあなたの感想も書き込んで、次にその本を読む、誰かにリレーしてくださいね。

 

また、ブックトークカフェに参加したことをきっかけに、「大人のための絵本セラピーの会〜絵本は心の応援歌〜」を6月からCOSUGI COBOで開催する方がいらっしゃいます。本をめぐる場から、新たな場が生まれていくこと、「やってみたい」が実現できていくことも、ハバタクとしてはとてもうれしい気持ちです!

 

次回は6月19日(日)10:30~13:00に開催します。テーマは「外国人に教えたい!”日本を知る”本」です。日本を訪れる外国人旅行者数が、出国する日本人の数を上回る昨今、外国の方々に日本のどんなところを見てもらえたらうれしいでしょうか?あなたの思う「”日本を知る”本」をぜひ皆さんに紹介してください。初めての方も、少人数でゆったりと話していますので、どうぞお気軽にご参加ください!

お申し込みはこちら>http://everevo.com/event/30900

お待ちしております!

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