WORK SHOP# 56 | ブックトークカフェ「こわ~い本」

月1回、COSUGI COBOで開催している読書会「ブックトークカフェ」では、身近な本を通じて、武蔵小杉周辺の人々がつながる「場」を提供しています。一人ひとりの「好き」や感じ方の違いをていねいに聞き合い、その違いを豊かなものと感じられる場を目指しています。

 

ブックトークカフェ#13 〜みんなでつくるまちの図書館〜 「こわ~い本」       

今回のブックトークカフェは、台風の接近で、窓ガラスが曇るほどの湿気に覆われた、8月20日に開かれました。こんな日こそ、エアコンの効いた室内での読書は、最高ですね!

この日のテーマは、「こわ〜い本」。夏といえば、怪談話が盛り上がりますが、そういえば「こわい」ってなんだろう?ホラーやミステリーなど、怖がらせようと思って書かれたものだけではなく、一見きれいなもの、楽しいものでも、なぜか「こわい」と感じてしまうことがあります。その人にしかわからない「こわい」の感覚を話し合ってみました。

 

皆さんが選んでくださった「こわ〜い」本はこちら。

 

・「どこいったん」「ちがうねん」(著・ジョン・クラッセン、訳・長谷川 義史)

絵本といえば、「ほのぼのするもの」というイメージを打ち砕かれた。少ない言葉やシンプルな絵のタッチとはうらはらに、読後にじわじわと鳥肌が立つような「こわ〜い」1冊。子どもはどう読むんだろう?と疑問が浮かんだ。

 

・「ウは宇宙船のウ」(著・萩尾 望都)

レイ・ブラッドベリの傑作短編を萩尾望都が漫画化した作品。普段、気づかない小さな変化が重なり、突然大きな違いとなって突きつけられる。ゾクッと「こわ〜い」1冊。

 

・「百鬼夜行抄」(著・今 市子)

妖怪が登場する折り目正しいジャパニーズホラー。絵が美しく、愛嬌あるキャラクターのおかげで怖がりさんでも楽しく読める1冊。

 

・「ブラッドランド 上: ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実」(著・ティモシー スナイダー、訳・布施 由紀子)

この本を読んで、ヒトラーとスターリンが行なった大虐殺で、1,400万人が亡くなったことを知った。読み進めるうちに、人の数の「多い」「少ない」の感覚が麻痺していく。創作ホラーではなく、実際に同じ人間が起こしたことだからこそ、怖さがじわりと襲う。

 

後半は、ハバタクスタッフから「沈黙」(著・村上 春樹)を紹介し、みんなで感想を話し合いました。

 

村上春樹の作品の中では、異色とも言えるストレートな文体、描写の作品。30分もあれば、読むことができる短編小説です。追い込まれていく主人公、彼と敵対する同級生、それに加担するその他大勢の風見鶏たち。正当性を主張しても声が握り潰され、目に見えない暴力に絡め取られていく、静かな怖さが描かれています。同じような経験をした人には、この構図がありありと見えるでしょうし、その経験がない人にも暴力とは何かを考えさせる物語です。

 

「舞台が学校なので、今、いじめなどで居場所がなく、辛い思いをしている中高生にはもちろん、大人にも響きそう」「被害者になることも怖いし、加害者になる可能性があるということも怖い」「人が逆境から脱しようとするエネルギーは、どこから湧いてくるのか。もしかすると、今、乗り越えられないと、また同じことが起こったときに、次は乗り越えられないかもしれない。それが怖いから、今がんばろうとするのだろうか」などの感想が出ました。

 

ブックトークカフェは、感想を自由に話すことを大切にする場所です。読書会に参加したことがない方も、少人数なのでゆっくりたっぷり話せます。はじめは、どきどきするかもしれないけれど、きっと思いがけない変化がありますよ!

 

ご紹介していただく本は、ご自宅の本棚から選んでも、図書館で借りても、書店で購入してもルートはなんでもOKです。皆さまのご参加をお待ちしております!!

次回は9月24日(土)10:30〜12:00 テーマは「ひらめく本です!」

お申し込みはこちらから → http://everevo.com/event/33605

 

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