WORK SHOP# 59 | ブックトークカフェ「ひらめく本」

月1回、COSUGI COBOで開催している読書会「ブックトークカフェ」では、身近な本を通じて、武蔵小杉周辺の人々がつながる「場」を提供しています。一人ひとりの「好き」や「感じ方」の違いをていねいに聞き合い、その違いを豊かなものと感じられる場を目指しています。

 

ブックトークカフェ#14 〜みんなでつくるまちの図書館〜 「ひらめく本」       

今回のブックトークカフェは、雨続きで蒸し蒸しとした天気の9月24日に開催されました。

この日のテーマは、「ひらめく本」。秋の始まりには、一人でじっくりと物事を考えたり、暑い時期にはできなかったことに挑戦したりする方も多いのではないでしょうか。考えを深めるきっかけやひらめきを、どこで、何から得ていますか?本を読んでいてひらめいたことって何?ひらめきを感じる本に出会ったことは?など、一人ひとりの「ひらめき」のエピソードと共に、本を紹介してもらいました。

 

皆さんが選んでくださった「ひらめく」本はこちら。

 

・「コンヴィヴィアリティのための道具」「脱学校の社会」(著・イヴァン・イリイチ)

最近「コンヴィヴィアル」という言葉に注目していたところ、たまたまブックトークカフェとConvivial Projectの存在を知り、自分の中で「ピピン!」と何かがつながったような気がした。学校化(規格化)された社会への問いを投げかけるこれらの本は、インターネット以前の1970年代の著作であるにもかかわらず、今読んでも新鮮な驚きを与えてくれる。

 

・「ぴったりはまるの本」(著・佐藤 雅彦 ,ユーフラテス)

 

・「こんなこえがきこえてきました」(著・佐藤 雅彦 ,ユーフラテス)

 

・「このあいだになにがあった?」(著・佐藤 雅彦 ,ユーフラテス)

 

「ぴったりはまるの本」は、さまざまな物の実寸大の輪郭が描かれたページと小さなヒントが見開きで示される、クイズのような本。家の中にある物がこの輪郭にぴったりはまるはずだけど、「それは一体なんだろう?」と、実際にみんなで考えてみました。悩み苦しんだあとに、急にひらめいて、答えにたどり着いたときの快感がなんともいえない。他の2冊も同じ著者で、TV番組「ピタゴラスイッチ」の制作者だと知り、納得できた。

 

・「ボッコちゃん」(著・星 新一)

1001話もの作品を残し、ショート・ショートの神様と言われた星新一の代表作「おーい、でてこい」は、1958年の作品とは思えないほどの未来への的確な予測に驚かされる。1001話の作品を残した作者のひらめき力とはどのくらいだったのか。講演CD「ひらめきの法則」も聞いてみたい。

 

・「やさいのおなか」(著・きうち かつ)

 

・「オオカミくんはピアニスト」(著・石田 真理)

 

「やさいのおなか」は正解を当てるのが楽しい絵本。大人は経験しているはずなのに、なかなか当てるのが難しい。答えを探しているときは子どものような好奇心、ひらめいたときは爽快な気持ちよさが待っている。「オオカミくんのピアニスト」は、去っていってしまう人もいるけれど、自分を必要としてくれる人は必ずいる。自分が好きなことで、みんなが喜んでくれることは幸せといったメッセージが込められていて、優しい気持ちになる一冊。

 

・「世界一美しい本を作る男 シュタイデルとの旅 DVDブック」(編・「考える人」編集部,テレビマンユニオン)

10月のテーマ「積ん読本、あつまれ!」と間違えてフライングしてしまった一冊。せっかくなので紹介していただきました。雑誌「考える人」のwebサイトができたときに、なんとなく眺めていて発見した本。勢い込んで買ったものの、DVDを観る時間がないな、と思っているうちに、ついつい積ん読してしまった。

後半は、スタッフのおすすめとして「世にも美しい数学入門」(著・藤原 正彦,小川洋子)を紹介し、みんなで感想を話し合いました。

 

数学とはあまり仲良くなれず、問題を解いていく過程でも、ひらめきの喜びよりも苦しく辛い記憶のほうが大きいという人は多いかもしれません。「果たして数学者という人間はひらめいてばかりなのだろうか?」という素朴な疑問から選んでみました。

 

この本は、「博士の愛した数式」という数学者の登場する小説を書いた作家の小川洋子さんが、数学者の藤原正彦さんに素朴な質問を投げかけ、数学の美しさを探し求めながら、その文学的な世界との接合点にも注目してゆく対談集です。この中から22ページ分を抜粋して皆さんで読みました。数学者はあっという間にひらめくわけではなくて、5年も6年も、数十年も、もしかしたら一生、「ストーカー的に」考え続けているということ。また、「数学の世界では、理論的な思考だけではなく、季節の移り変わりを愛でる情緒がなくてはならない」「数学は実用にすぐに役に立たないから素晴らしい」など、わたしたちが中学校、高校で習ってきた数学のイメージからは、想像もつかない表現が飛び出しました。

 

音楽や美術のようにはとらえにくい、抽象的な数学の美の感覚を「こういう感じか、ああいう感じか」などを皆さんで話し合うのがとても楽しい時間でした。「ひらめく」とは、いきなり降ってくるのではなくて、既にあるものを問い直し、先入観を外すことから得られるものかもしれません。

 

この本のレーベルである若い読者のためのはじめての新書「ちくまプリマー新書(筑摩書房)」は、他にもたくさんのひらめき本に出会えます。今回の皆さんの紹介本と合わせて、ぜひ探してみてくださいね。

 

ブックトークカフェは、感想を自由に話すことを大切にする場所です。読書会に参加したことがない方も、少人数で開催していますので、どうぞお気軽にご参加ください!個人的な営みである読書をちょっと外にひらいてみるのは、とても楽しい体験ですよ。

 

次回 10/21(金)19:00~21:30 テーマは「積ん読本、あつまれ!」。

お申し込みはこちら>http://everevo.com/event/33767

ご紹介していただく本は、ご自宅の本棚から選んでも、図書館で借りても、書店で購入してもルートはなんでもOKです。

皆さまのご参加をお待ちしております!!

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